記憶のプロセス
私達は普段、当たり前のように色々な事を記憶しています。それは、視覚的に得られる情報であったり、聴覚的な情報であったりと、五感から得られる様々情報を記憶しています。私達の個性や感情はこういった記憶の積み重ねから生まれます。
また、脳の機能として記憶を行う事は、とても複雑な段階を踏んでいます。普段当たり前のように行なっている行為の裏側で脳が、膨大な処理を行い短期記憶と長期記憶 などを含めた記憶保持を行なっています。
今回は、そんな脳の記憶に関する3段階のプロセスを紹介します。
前頭前皮質
脳の前頭葉の一部である前頭前野は、短期記憶を主る領域です。カナダの衛生研究所は、人間の前頭前野は高度に発達しており、複雑な機能と記憶の操作をもたらしていると述べています。
前頭前皮質は、記憶の使用方法に関わるため、短期記憶における「コーディネーター」と呼ばれています。
脳が記憶のイメージを行う時、準備段階として前頭前野が活性化します。前頭前野の活動が、短期記憶を長期記憶に変換する際に大きな役割を持っています。
海馬
短期記憶を長期記憶に統合する役割を持っているのは、脳の側頭葉に位置する海馬です。カナダ衛生研究所は、記憶を統合するためには、海馬経路を何度も通過する必要があると述べています。
経路は、視床下部の乳頭状体、前部視床核、帯状回皮質、嗅内皮質、そして繰り返し海馬の中を通ります。海馬内を繰り返し通る事で、記憶の崩壊を防ぐ役割があります。
大脳皮質
記憶が統合された後は大脳皮質に保管されます。保管場所は、灰白質で作られた脳の内部でも最も外側の層です。
記憶は海馬から独立して保管されており、そかこら必要に応じて、記憶が引き出されます。
ジョージア工科大学の研究では、長期記憶は短期記憶よりも記憶の減衰や情報の損失が少ないとしています。
記憶力の良し悪し
記憶をするプロセスに当たって脳は、前頭前皮質→海馬→大脳皮質の順番に記憶となる情報が送られます。
記憶力が、良いか悪いかは、海馬の働きによるものが多いです。短期記憶を上手く長期き記憶に写すことができる人は、文字通り記憶力が良いと言えます。
また、記憶を大脳皮質から上手く引き出すことができる人も、記憶力が良いと言えるでしょう。
私達は、覚えることばかりに関心を向けがちですが、思い出すことも重要なポイントです。日頃から、思い出す事を意識して脳に思い出す道を多く作ると良いかと思います。
脳の仕組みを利用した記憶術の紹介です。
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