エピソード記憶
この記事では、エピソード記憶に関する基本的な情報をまとめます。本ブログに掲載されている他の記憶に関する記事の理解に役立ちます。情報は随時更新していきます。
エピソード記憶の分類
人間は記憶することで物事を覚えますが、単に記憶といってもいくつかの分類があります。中でもエピソード記憶は、意味記憶と同じ部類で、長期記憶に含まれる記憶です。細く分類とするならば、長期記憶の中でも自分の意思によって思い起こすことが出来る明示的記憶に分類されます。

エピソード記憶の想起
エピソード記憶は、過去の自分の経験に関連した記憶です。エピソード記憶は、記憶方法としては非常に強力で、強烈なエピソードがある程いくら年をとっても忘れることはありませんし、切っ掛けがあればいつでも思い出すことが出来ます。
例えば、学生時代の友達に数十年ぶりに再開した時に、学生時代の思い出が鮮明に蘇ると思います。記憶こそがエピソード記憶です。記憶といえば、受験勉強や資格の勉強で頑張って単語の意味や知識を暗記しようと努力した経験は誰にでもあると思います。

記憶術への応用
しかしエピソード記憶の場合は自然と経験を通して、記憶が脳内に蓄積されます。長期記憶に分類される為記憶を忘れることもありません。こういった、エピソード記憶は記憶術にもよく利用されます。

記憶される脳領域
脳内でのエピソード記憶は脳領域の中でも分散して記憶されます。記憶される箇所は側頭皮質や頭頂葉皮質、前頭皮質などを含む脳領域に分散されています。記憶は分散されて記憶されている為、一部思い出す切っ掛けさえあれば簡単に思い出すことが出来ます。
先ほどの学生時代の話が例で、久しぶりあった学生時代の友達が記憶の引き出しを開ける切っ掛けとなり、学生時代の思い出が鮮明に思い出されるわけです。記憶というのは忘れているようで、脳内の何処かに必ず存在します。ただ、時が経つごとに思い出し方を忘れてしまいます。何か思い出したいことがあるときは、関連するエピソードを思い出すことで、思い出したい事柄を思い出すことが出来るかもしれません。
健忘症との関係
健忘症とは?
エピソード記憶を思い出すことが困難になる症状として、健忘症があります。健忘症は何か強い精神的ショックを受けた場合などに発症します。生じたストレスから精神を守るために、脳が記憶の扉を閉ざしてしまいます。
健忘症の患者は、意味記憶のうち、知識や事実(言語、習慣など)などは覚えています。例えば、普通に喋ることが出来たり、料理が作れたり日常生活を送る上で必要な能力が失われないケースが多いです。
失われる記憶
失われるのは、所謂エピソード記憶と呼ばれる過去の出来事などです。健忘症の患者は、過去の一部の記憶だけ思い出すことが出来なかったりします。例えば、幼少期の記憶はあるがそれ以降自分が何をして来たのかがわからない等が例に挙げられます。
健忘症の種類
健忘症にも種類があり、順向性健忘と逆行性健忘があります。順向性健忘は、新しく物事を覚えることが出来ずに、すぐに忘れてしまいます。新しいエピソードを覚えることが出来ません。逆行性健忘の場合では、新しい物事は覚えることが出来ませんが、過去の一定期間が抜け落ちてしまう状態です。

動物にエピソード記憶は出来ない!?
動物には無理
エピソード記憶は過去の追体験をすると表現されることがあります。エピソード記憶は人間特有の能力であるとの議論があります。エピソード記憶は、意識的に過去の出来事を思い出す作業が必要ですから、動物にはそれが出来ないのではないかとの話です。
動物にも出来る
動物はエピソード記憶を持つことが出来ないのかは、議論が分かれるところで、マウスが餌の場所を覚えることが出来る等の実験を通して、動物でもエピソード記憶を持つことが出来るとの主張もあります。
人間は長けている
ただ、動物は習慣として場所を覚えるとされているため、エピソード記憶として過去の出来事を思い出すことが出来ているかは、疑問が残るところです。人間固有の能力ではないかも知れませんが、人間がうまく使いこなせることは確かです。
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