左利きの割合は色んな調査がされていますが、だいたい全人口の10%ほどで、男性の方が女性よりも左利きの割合が多いです。
この記事では、左利きと天才に関係性があるかどうかを科学的根拠も交えて検証していきます。
このページでは、科学的根拠に基づいて事実から俗説として広まっている情報まで集めましたので、左利き=天才の俗説について自分なりの答えを出す参考にして下さい。
左利きが天才とされる根拠
左利きが右利きに比べて天才肌が多いとされる俗説は、誰でも一度は聞いたことがあるほど広まっていますが、科学的に実証された事実もいくつかあります。
左手は脳の右半球が支配している
脳の領域は大きく分けて右脳と・左脳の2つに分かれています。身体の制御はそれぞれ、右脳が左半身、左脳が右半身を動かしているので、左利きの人は右利きの人に比べて右脳を普段から活用する割合が多いです。
右脳は芸術脳・左脳派言語脳と呼ばれる
言語機能のほとんどは左脳の働きによるもので、右脳に比べて言語処理に優れていることから言語脳とも呼ばれます。反対に、右脳は映像や音の処理に優れているので右脳の呼び名は芸術脳です。
芸術家は天才のイメージが強い
世の中には経営者や発明家など天才と呼ばれる人物は沢山いますが、中でも芸術家の人は天才というイメージが比較的強いです。「天才といえばどんな職業?」と聞かれたら芸術家と答える人は多いと思います。
左手は芸術のである右脳が支配していることから、左利き=天才とのイメージが強いのではないでしょうか。
左利きの方が数学に強いことが証明されている
Frontiersに掲載されている論文で、6歳から17歳の2314人を対象にした実験の結果、左利きの子供は数学の成績が高いことが分かっています。
実験方法
実験は下記の3つの要素を考慮して、数学問題の難しさを変えるなどして5回に分けて行われました。
難しい問題では左利きが良いスコアをとった
簡単な算術問題の場合は、右利きと左利きのスコアの変化はあまりありませんでしたが、難しい問題(3次関数、4次関数)では左利きの方が高いスコアを撮りました。
「1+1」のような簡単な問題であれば誰でも解くことが可能ですが、実験で使用されたような3次関数、4次関数は数式を図形としてみる力が必要です。左手を支配する右脳は、空間認識や視覚的イメージ力に長けているので、右利きよりも左利きが優れていた一つの要因でしょう。
左利きの人は内向的な傾向がある
2011年に発表された研究で、左利きの人は内向的で好奇心が旺盛という結果が出ました。
実験方法
研究では、ニュージーランドで662人の若者を対象にBig5と呼ばれる5つの要素(「外向性」「情緒安定性」「開放性」「勤勉性」「協調性」)の診断と「信念」や「固定概念」に関する調査をしました。
Big5では、右利きと左利きで変化なし
5つのタイプで性格診断をするBig5では右利きと左利きでは変化は見られませんでした。 Big5は世界的に広まっている有名な健康診断なので信憑性は割と高いと思います。左利き=天才と考えるなら、天才のイメージとして「情緒安定性」や「協調性」は低い遠見がちですが、今回の実験では変化はありませんでした。
信念と固定概念を比較すると左利きは内向的
信念と固定概念を調べた研究では、左利きの方が内向的で新しい体験をしたがる傾向にあるとの結果が出ました。
左利きの人が内向的で好奇心が旺盛な傾向があるというだけでは、天才と結びつく要素はあまり感じられません。一つの指標として、利き腕によって性格にちょっとした差が出ると覚えておきましょう。
左利きの方が脳梁のサイズが大きい
1985年と古いデータですが、脳梁の大きさが左利きの方が大きいとの研究結果がありました。
脳梁とは右脳と左脳を結んでいる部位のことで、両脳は脳梁を通して情報のやり取りをしています。 実験では死んだ人の脳梁の大きさを測り、結果は左利きの人が11%大きかったようです。脳の力を最大限引き出すには、右脳と左脳の連携が必要なので、脳梁の大きさは単純に頭の良さに比例します。
例えば、小説を読むときは左脳で文字を理解し、右脳でイメージを膨らませます。小説のストーリーを理解するためには、右脳と左脳両方の働きが必要です。脳梁が発達していれば、単純に脳の連携作業がスムーズになり理解力が上がります。
偉人とされる人物で左利きはどれだけいるのか
天才的な能力を発揮した偉人と呼ばれる人物の中でどれだけ左利きがいるか調べましたので確認してみてください。
アメリカ大統領
アメリカの大統領に左利きが多いことは有名です。直近の大統領で38代以降は7人中5人が左利きです。政治家は天才というより、影響力や人気が大事だったりするので例としては微妙ですが、有名ですので紹介しておきます。
左利きの芸術家
有名な芸術家に左利きの人物は結構多いです。ただ、ダ・ヴィンチのように何百年も前の人間も含みますので本当に左利きだったのか、信憑性はあまり高くありません。
左利きの科学者
科学者にも左利きの人物は多くいます。アインシュタインやエジソンなど誰もが知っている人物も左利きです。 全体的に見れば科学者全体の割合は右利きが圧倒的に多いですが、下記のそうそうたる人物を見ると左利きと才能の関係性を疑うのは当然と言えます。
スポーツでは左利きが圧倒的に有利
スポーツの世界では左利きの選手のことを「レフティ・サウスポー」と呼んだりしますが、身長や体重などの体躯的な要因と同じくらい左利きは重要視されています。
数が少ないから対策できない
全人口に占める左利き機の割合は大体10%程しかいません。単純に左利きの選手は数が少なくなり、対戦する機会が減って対策が立てづらいです。才能に関係なく左利きであるだけでスポーツでは有利になります。
対戦型のスポーツで有利
スポーツの中でも直接対峙対戦型のスポーツ(野球・テニスなど)で左利きは有利です。反対に、カーリングやアーチェリーのような直接対峙せずにポイントを競い会うようなスポーツでは利き腕は関係ありません。
少人数のスポーツの方が有利
少人数のテニスや卓球では、利き腕が変わると球の軌道などが全て変わってしまうので、日頃から左利きの選手と練習していない人は試合結果に大きく関わります。
野球やサッカーのように大人数で1人、2人左利きが紛れている場合は、左利きの選手と対峙した時だけ注意すれば良いだけので、やりにくさは変わってきます。大人数スポーツならチームに1人は左利きがいるので普段から練習できますしね。
血液型×利き腕の性格診断は信憑性なし
占い系の診断で、有名な血液型診断と利き腕を絡めた性格診断があります。結果からお伝えすると全く信憑性がありません。
「AB型で左利きの人は希少で・・・」みたいな診断を目にしますが、全部でたらめと考えて良いでしょう。
上記の血液型診断のルーツは、開発した教授の身内数人にアンケートを取ったレベルです。血液型診断に全く信頼を置けない以上、血液型と利き腕を組み合わせた性格診断は全くもって意味ないでしょう。
友達同士で楽しむレベルで使って、あまり真に受けないようにしましょう。
左利き=天才は、ありえない話ではない
天才と左利きの関係について見てきましたが、事実として実際に違いがあるとする研究結果もあり、単なる俗説でないことはわかったと思います。今回紹介した内容を下記にまとめましたので、確認してみましょう。
左利きの方が数学の能力が高かったりするのは、事実として驚いたと思います。今まで、左利きに偉人が多いことなどから「左利きは頭がいい」と言われていきましたが、科学的根拠が生まれた事になります。
右利きでも左利きでも脳をフル活用できれば天才が出来上がります。現代人は言葉を多用するので、左脳を使いがちになり右脳をうまく使えていません。左手は右脳が支配している事もあり、左利きは右利きに比べ右脳・左脳をうまく利用できているのではないでしょうか。
左利きに変えれば誰でも天才になれるわけではありませんが、変化が得られることは事実です。左手で箸を持つなど日常生活の中で左手を取り入れてみると、新しい才能が開花するかもしれません。天才への一歩を踏み出しましょう。
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