はじめに
人間の脳が大きく二つの領域に分けられている事を知っていますか?それは、芸術脳と言われる右脳と言語脳と言われる左脳です。日本人は脳の使い方の癖が左脳に偏っているとされています。
考えてみれば、欧米諸国の人々は感情豊かでクリエイティブなイメージがありますよね。一方日本人は、真面目で慎しみ深いイメージがあります。同じ人間でどうしてこうも違いが出るのでしょうか。
伝統や文化の違いはもちろんですが、一番大きく影響しているのは言語です。日本語は左脳を使う言語で、英語は右脳を使う言語なのです。日本語を使っている日本人に左脳派が多いのは当然のことです。
言葉と脳
言葉を話したりする時には、言語を処理する左脳が働きます。言葉を処理する左脳は言語脳と言われています。言葉を使っている時、左脳だけが働いている訳でなく、右脳もしっかりと機能しています。使い方に偏りがあるだけです。
右脳は、図形などの視覚的情報の処理を行います。言葉の伝達に用いる文字も、図形の一つです。同様に、右脳は音に関する、聴覚的情報の処理も行います。会話には言葉を使いますよね。
左脳が言語脳と呼ばれているからといって、人が言語を使っている時に、右脳が全く働いていない訳ではありません。理想的な形は、右脳と左脳をしっかりと働かせてあげることです。
言語は三つの役割に分かれる
言語の役割は大きく以下の3つに分かれると思います。
- 読み
- 書き
- 聞き取り
世界中の言語で、読み・書き・聞き取りの基本的なプロセスは変わりません。しかし、言語によって、読みを重視する言語があれば、聞き取りを重視する言語もあります。言語の基本は変わりませんか、どこに重きを置いているかによって言語毎の特色が出てきます。
英語は聴く言語
英語は聴く言語です。英語学習の際に、よく英語を聞き流すだけで覚えることができる(スピードラーニングなど)を一度は目にしたことがあると思います。スピードラーニングなどは右脳を利用した学習法です。
言葉を言語として聞き取るのではなく、音楽のように音にフォーカスを当てて聞き取ることで、音そのものを記憶します。抑揚やリズム感を重視する英語は、言葉でありながら音楽のように聞かれています。
英語を聞き取るとき、右脳が活性化するのは英語という言語が音楽に近い形で脳に処理されているからです。日常的に英語を利用している欧米諸国の人々は、日常的に右脳を利用しているので、思考において右脳を使う癖ができています。

日本語は読む言語
反対に、日本語は読む言語です。日本語でも英語の場合と同じように、「言葉を音そのものと認識して、聞きとっているのでは?」と考える人もいると思います。しかし、日本語に言葉を音として認識できない理由があります。
理由は漢字の読みです。漢字には音読み、訓読みが存在し、文字を読み取るときに頭の中で、音読み・訓読みの選択をしなければなりません。音読み・訓読みの処理をする時には左脳が働きます。
音読み・訓読みの際に左脳が働く事が日本語を読む言語とする理由です。日本語では、読む事を重視している言語のため、英語に比べると、多く左脳を利用していることになります。結果として、日常的に日本語を利用している日本人には左脳派が多くなります。
まとめ
- 日本人には左脳派が多い
- 言葉は、読み・書き・聞きに分けられる
- 英語は聞く言語
- 日本語は読む言語
日本人に左脳派の人が多い原因は、日本語にあると説明してきました。日本語は読む言語であって、左脳をより使うように出来ています。だからと言って、日本語を否定している訳ではありません。
日本語には多くの形容詞・副詞があり、多彩な表現方法は他の言語にない素晴らしい良さがたくさんあります。日本語が決して他の言語に劣っている訳ではありません。
日本人は英語のレベルが低いと言われていますが、それはしょうがない事です。日本語と英語では脳の使う領域が異なります。普段あまり考えない言語について、考えるきっかけになれば幸いです。

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