ストレスとは?
現代はストレス社会と言われるほど、一人一人が多くのストレスを抱えています。しかし、ストレスとは一体なんでしょうか。わたし達は普段から「ストレスを感じる」とよく言いますが、ストレスの正体を知りません。
ストレスには、2種類ある
ストレスとは、刺激によって心身に変化を与える事により生じる不安や嫌悪感です。人は変化を嫌いますが、変化するということは脳に刺激が与えらます。刺激にも2種類あり、物理的刺激と心理的刺激です。
物理的刺激は、怪我をした時の痛みやなど物理的に伴う刺激です。心理的刺激は、将来についての不安など心理的に感じる刺激です。二つは明確に別れている訳ではなく、相関関係にあります。怪我をした時には痛みと同時に、怪我の回復具合など今後の不安も生じます。物理的刺激と心理的刺激は同時に生じることがほとんどということです。
ストレスと記憶の関係
ストレスと記憶の間には、関係性があります。ストレスと記憶の関係性を辿っていく事で、うつ病などの精神疾患についても理解が深められます。
感情が揺さぶられると扁桃体が働く
人間の記憶は、関連付けをすることで物事を覚えていきます。特に感情に関連づけられら記憶程よく覚えられる傾向にあります。強く感情が高ぶった経験のことを、人は印象的に覚えています。相手の行動にとても怒りを覚えた時や、褒められた時のように嬉しい経験は、よく覚えていると思います。
こういった、感情的な情報の処理に関連している脳の器官が扁桃体です。扁桃体は感情と記憶を関連づける過程に関わってくる機関です。要するに人が感情を処理する時、扁桃体が働く訳です。
感情を利用すれば記憶力が高められる
テストや資格の勉強の過程で暗記をすると思いますが、記憶力を高めるという点で、感情を利用することは、有効的な手段となります。
覚えたい事柄に対して、感情を結びつけて覚える事で脳に記憶されやすくなります。例えば、歴史上の人物である「ザビエル」のことを思い出してください。比較的にザビエルのことはみんな覚えていると思います。
なぜなら「ザビエル」の人物像として、歴史の教科書に載っている写真はハゲの写真が載っている訳です。特に小学生の時なんかは、ハゲはみんなが面白がりますよね。こうやって、面白いという感情に結びついたザビエル(記憶)は日本人の記憶に刻まれている訳です。
コメントをつける
感情を使って記憶力を高める方法は、「ザビエル」と同じことを覚えたい事に対して行えばいいだけです。
「ザビエル」に対しては、「ハゲてる」というコメントをつける事で記憶しています。他の事柄にも「かっこいい」、「かわいい」、「おもしろい」など自身の感情をコメントとして残します。
そうする事で、脳の扁桃体が活性化するので、覚えたい事柄と感情の間に関連付けがなされます。関連付けが強いほど、脳内で長期的に記憶される事になるので、印象的なコメントを付ければつける程、確固たる記憶として覚えることができます。
ストレスを感じる程忘れることができない
感情のコントロールは難しい
感情を利用した記憶術は感情の起伏が激しい人ほど有効に働きます。感情との強い結びつきは、記憶術に用いるなどうまく利用することで、プラスに働きます。しかし、感情の結びつきが、鬱病をはじめとする精神疾患の引き金にもなります。
感情というのはコントロールすることが非常に難しいです。感情を自分の好きなようにコントロールできる人は少ないです。喜びの気持ちも、怒りの気持ちも考えて生じるのではなく、感じることによって生まれます。
ネガティブな記憶も忘れられない
感情のコントロールができないという点が、ストレスの原因になります。感情と結びついた記憶が印象的に脳に残るという事は、ネガティブな記憶、怒りや悲しみなども強く記憶されてしまします。
ネガティブでストレスを感じるような、忘れたくても忘れられない記憶が、脳内に残る事になります。生じたストレスは、その場だけでなく長期的に人を苦しめる原因になります。うつ病などの精神疾患の始まりは、ストレスを感じる記憶が印象的に脳に記憶されることから始まります。
新しい記憶と古い記憶の結び付け
ストレスを感じた時に扁桃体は、神経伝達物質を通じてストレスの原因となった記憶を強化するように働きます。脳内は無数のネットワークにより構築されており、扁桃体は新しい記憶を古い記憶と結びつけます。
ストレスを抱えやすい人ほど、新たなストレスを感じた記憶が脳内にインプットされた時、古い記憶との統合が行われて、より多くのストレスを感じる事になります。
うつ病や精神障害の人は、とても些細なことで傷ついてしまいます。彼らの中には、ストレスを感じさせるトラウマとも呼べる記憶があり、新しい記憶に対してトラウマを結びつけてしまいます。
脳内の記憶の回路は、何度も記憶を呼び出すことで強化されていきます。ストレスを頻繁に感じる人ほど、より過去のストレス的記憶との結びつきが強くなります。
まとめ
- ストレスは物理的刺激と心理的刺激の二つからなる
- 扁桃体は感情を司る
- 感情と記憶には強い結びつきがある
- 感情と記憶したい事柄を結びつければ簡単に覚えられる
- ストレスを感じると古い記憶と結びつけられる
感情と記憶には深い結びつきが生まれます。うまく利用することで、効果的な記憶術として利用することができますが、ストレスとの結びつきが強くなれば、うつ病などの原因となります。
出来るだけストレスのない環境を選ぶか、ストレスの元を肯定することで嫌な記憶として脳内に残さないなど、ポジティブな気持ちを維持することを心がけましょう。
コメント