はじめに
鬼速PDCA(富田和成、クロスメディア・パブリッシング)の著者、株式会社ZUU代表取締兼CEOである。本書のタイトルである「鬼速PDCA」について著者は、
私が前職の野村證券時代から好んで使っている造語で、私が代表を務める株式会社ZUUにおいて企業文化として浸透している仕事の進め方のモデルである。
と述べており、著者が10年以上の実践を通して考え出したオリジナルの「PDCA」である事がうかがえる。本書では、PDCAワークについて著者の経験の元実践的に方法が語られている。
PDCAとは?
PDCAのフレームワーク
PDCAは四つの英単語の頭文字から成る、ビジネスパーソンなら誰しもが知っている古典的なフレームワークです。
PDCAの頭文字はから成る4つの単語は以下の通りです。
- PLAN(計画):予測や実績をもとに業務計画を作成する。
- DO(実行):立てた業務計画を実行する。
- CHECK(検証):事項された業務が業務計画に沿っているか検証する。
- ACTION(調整):検証結果を見て、計画に沿わない部分を調整する。
管理手法としてのPDCA
PDCAサイクルは、P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(調整)→P(計画)という順番に4つの段階を順番に繰り返す管理手法です。
一般的に製造工程の改善手法やチームやプロジェクトを管理する手法の一つとして、ビジネスなどの場で活用されているノウハウです。
こう見ると、PDCAサイクルは物事を進めるにあたって基本的な事項のように思えます。誰しもが意識していなくても、PDCAを実行しているのではないでしょうか。しかし著者はこう述べています。
PDCAほどわかっているつもりでわかっていない、そして基本だと言われているのに実践している人が少ないフレームワークも珍しい
基本的な事項こそ、人は見落としがちという事でしょうか。分かっていると思っている事こそもう一度見直しが必要で、新たな発見があるのかもしれません。
PDCAは時代遅れか
PDCAの発祥は、第二次世界大戦後、ウォルター・シュハードと弟子のエドワーズデミングが提唱したとされています。
新しく斬新なマーケティング手法は次々と生まれ、多くの注目を集て多くの本が出版されています。PDCAは環境の変化が著しい現代においては、古典的で古臭く感じてしまいます。しかし、著者はこう言います。
これだけビジネス環境の変化が大きくなった今の時代こそ、成長スピードが早く、柔軟性の源にもなる。「PDCA力」は、会社にとっても個人にとっても、最強のスキルであると声を大にして言いたい。
鬼速PDCA
鬼速PDCAがもたらすもの
「全身を続けるためのフレームワーク」
著者はPDCAのことをそう呼びます。PDCAを鬼速で回し続けることで、会社やチーム、個人が圧倒的なスピードで成長出来る。著者の考えるPDCAとは、単なる管理手法の一つではなく、成長をつ続けるための効率的なノウハウなのです。PDCAを回し続けることで、自信がついて、モチベーションが湧くそして人が成長する。こういった好循環が生まれるわけです。
PDCAを回してない人は地図がないまま気ままに散歩しているようなものである。
常に明確なゴールを設定することで、そこに向かって進むことで段違いの速さで成長出来るという事なのでしょう。
PDCAへの6つの誤解
- 簡単だと思っている
- 管理職向けのフレームワークだと思っている
- 失敗するのは検証(C)が甘い体と思っている
- 課題解決のためのフレームワークだと思っている
- 改善さえすれば終わっていいと思っている
- 大きな課題の時だけ回せばいいと思っている
ビジネスパーソンにPDCA浸透しない理由はPDCAに対する誤解があると著者は語っている。現状をどう分析して、PDCAサイクルに落とし込めばいいのか、理解している人が少なく、問題の改善を続けられる人は少ないようです。
上手くいかないと感じている人は、PDCAサイクルについて誤解があるのかもしれません。著者が提唱する6つの誤解を元に検証してみてください。
鬼速PDCAの概要
鬼速PDCAは、サイクルに一般的なPDCAとの違いがあります。P(計画)→D(実行)→C(検証)→A(調整)→P(計画)の順番一辺倒に進んでいくだけではなく。調整から実行にフィードバックがあったり、実行の中にもサイクルが存在しています。調整から新たなPDCAサイクルが生まれています。
また、単なる仕事の管理だけでなく、計画は人生のゴールや経営方針まで繋がっています。著者の言う「全身を続けるフレームワーク」がここに体現されているわけです。
鬼速PDCAとは、著者オリジナルのサイクルを鬼速で回し続けることなのでしょう。本書には、PDCAそれぞれに詳しい解説がなされています。鬼速PDCAを詳しく知りたい方は、ぜひチェックして下さい。
終わりに
本書は、数あるPDCAサイクルに関する紹介本の中でも、実践に特化しているものです。ただ理論を並べるだけの、参考書よりも即戦力になること間違いなしです。少し、癖がありますが、著者の考え方に共感できる人は、実践してみるといいと思います。
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