ToDoリストは時間管理に使うな!!

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はじめに

「1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣」(ケビン・クルーズ、パンローリング株式会社)の著者のケビン・クルーズ氏は、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー作家であり、複数の会社を経営し成功させています。そんな彼が、7人の億万長者、13人のオリンピック選手、29人のオールAの学生、そして239人の起業家。計288人への取材から導き出した、時間管理と生産性向上にまつわる15の秘訣を本書では紹介している。

本書で学べること

本書の冒頭において、独自の調査と研究により導き出した時間管理と生産性向上の秘訣について、学べる内容がまとめられている。

・先延ばしの癖を克服する「タイムトラベル」

・1週間につき8時間節約できる「3つの質問」

・自分が本当に優先すべきものを見極める方法

・毎日メールの受信箱をからにする方法

・生産性が10倍にになるE-3C方式

・ストレスを激減させる、リチャード・ブランソンの秘密兵器

・罪悪感なく5時に退社する方法

・アップル、グーグル、ヴァージンの会議術

・SNSに気をとられない方法

本書では、実際の成功者たちの言葉や経験をもとに、時間管理のための実践的なハウツーがいくつも紹介されている。筆者が元々時間に追われる生活をして、「超多忙」とも言える生活を経験したからこそ得られた本書の内容は、時間管理に悩んでいる人がすぐに実践すべき内容であると共に、時間管理で悩んでいる全ての人たちにとって必ず助けになる筈です。

1日は1440分しかない

時間は共通財産

本書では、時間を大切にするためのノウハウ紹介されており、時間は人にとっての財産とも言える貴重なものと扱われている。

一日の時間はみな同じ。時間はどんな人にも与えられている、最低限の共通資産なのだ

貧乏な人、高学歴な人、スポーツの才能に恵まれた人、体が不自由な人、どんな人でも時間は共通です。お金や健康が大切という人も多くいると思いますが、お金は使ったらまた稼げばいいし、ほとんどの病気は直すことができます。しかし、時間だけは絶対に戻ってきません。私たちが経験している一分一秒は一度過ぎてしまえば帰ってこないのです。

呼吸を意識しよう。吸って、吐いて。吸って、吐いて。

今意識した鼓動は、決して戻ってきません。人生から3拍の鼓動が奪われました。私達は時間の重要性を改めて認識する必要があるかもしれません。

なぜ秒ではなく分なのか

1日は、8万6400秒です。こちらの方が時間を時間できるなら、こちらを意識すればいいですが、数字の桁が多過ぎて、漠然な感じがしますよね。1440分の方が鬼気迫る感じがします。

一分間に何ができるかを考えると1440分の重さをさらに感じ取れる筈です。1分もあればいろんなことが出来そうですよね。トレーニングだったり、SNSをチェックしたり、瞑想したり、水を飲んだり考え始めたらキリがないと思います。でも1日に1440回しかチャンスが無いと考えると恐ろしいですよね。もっと時間を大切にしようと思えます。

1440の張り紙を貼ろう

著者は、1440と書かれた張り紙を自宅や会社の目立つところに張り出すことを推奨しています。人は必ず怠けてしまいます。本書を読んで、時間は大切だと感じてもしばらく経ったら、忘れてしまうと思います。1440の張り紙を見えるところに貼っておくことで、張り紙を見るたびに時間を大切にしようと思える筈です。

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億万長者はToDoリストを持ち歩いているのか?

ToDoリストと聞けば、時間管理の定番です。経営者やビジネスマンはToDoリストを軒並み活用していると考えがちですが、著者は、ビル・ゲイツやドナルド・トランプ、ウォーレンン・バフェット、スティーブ・ジョブズがToDoリストを用意して、時間を管理しているのかと疑問を投げかけています。

ToDoリストの問題点

ToDoリストは「消えることのないウィッシュリスト」と呼ぶべきだろう。

筆者はそう言います。ToDoリストは、やりたい事やクリアしたい事を書き連ねるだけで、具体的な計画もなく、いつ終わるかもわからない

ToDoリストを見ながら、次はどれをこなそうと考えると、大抵簡単ですぐ片付きそうな項目が目につきます。そうしているうちに、難しく、面倒くさい項目は、数週間数ヶ月と残っていきます。すぐ片付く項目が最重要項目ではないことを理解する必要があります。

ToDoリストがストレスを生む

ToDoリストはやるべき項目をメモして、思い出させるツールで便利に感じるかもしれません。しかし、それ故にストレスを生むことに繋がります。

対処すべきタスクがまだたくさん残っていることを絶えず意識させられ、しつこくせかされることでもあるのだ

しっかりと仕事をこなしていても、ToDoリストがなくなる事はありません仕事をすればする程、しなければいけないToDoは生まれてきます。常にToDoリストに追われる生活を続けていれば、精神的に参ってしまっても不思議はありません

スケジュール表に基づいて動く

成功を収めた人たちは、ToDoリストは作っていません。しかし、スケジュールは厳格に管理していたようです。やりたい事がある人は、きちんと予定を立てる事が大切です。無闇にやりたい事をToDoリストにまとめているだけでは、自分がただ疲弊するだけで、何も成し遂げられません。タスクは、スケジュール表に書き込みましょう。無理なくこなせる筈です。

「私は難しい事は考えず、あらゆることをスケジュール表に入れる。ただそれだけのことだ。毎日やる事は全てスケジュールに入れる。ソーシャルメディア30分。メール45分。社外スタッフとの情報交換。じっくり考えて計画を寝るための静かな時間。要するに、スケジュールに入れないことには何も片付かない。——クリス・ダッカー

最後に

ToDoリストをやめることは、本書で紹介する時間管理の一つでしかありません。その他にも著者が研究の結果導き出した最良の時間管理方法が紹介されています。また、本書では、成功者たちの時間管理に関する名言が巻末にまとめられています。それだけでも一見する価値はあると思います。是非、時間管理に悩んでいる人、興味がある人は手にとってみて下さい。

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