はじめに
現代はストレス社会だと言われています。職場や学校でストレスを感じている方は多いのではないでしょうか。しかし、ストレスといっても一概に全て同じと言うわけではありません。
突発的な出来事により生じる急性ストレス、日常的に感じる小さなストレスの積み重ねにより生じる慢性ストレスなどストレスの感じ方によっても種類があります。
ストレスの発散方法を、人それぞれ持っていると思いますが、方法は果たして生じているストレスに対して正しいものなのでしょうか。しっかりと自分が抱えているストレスについて知ることで、正しいストレス発散方法を実践する事ができます。
突発的に生じる急性ストレス
脳に強く印象付けられる
急性ストレスは、ストレスを感じさせる強い刺激を受けた時に生じます。原因は様々で、職場で理不尽に怒られたり、大きな失敗をしてしまったりと、感情と共に強く記憶に残る出来事から生じます。
脳は印象的な事を強く記憶する傾向があります。理不尽による怒りや失敗の記憶は普段よりも強く記憶されるため、実際の出来事よりも悪く感じてしまう傾向があります。
少し時間が経ってから考えれば、「大した事じゃなかったな」と感じる事があるのは、記憶される段階での印象が強すぎるからです。しっかり記憶を整理さえすれば、正しく認識する事ができます。
「カッとなってやってしまった」は急性ストレスが原因
急性ストレスを感じるた人は、普段取らないような大胆な行動をとってしまう事があります。突発的に怒りに身を任せて相手を殴りつけてしまったり、あまりにも大きな悲しみで、自殺をしてしまったりと様々です。
よく暴力的な犯罪を犯してしまった人が「カッとなってやってしまった」と供述する事があると思いますが、急性的に感じたストレスが原因です。ストレスは感じ方によっては人の人格を歪めてしまう事もあります。
慢性的に生じるストレス

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ブラック企業で感じるストレス
一般的にストレスとして認識されているのは、慢性的に生じているストレスではないかと思います。慢性的なストレスは、職場や学校などで日常的に受けるストレスが原因です。例えば、会社で毎日長時間労働を強いられている、所謂ブラック企業などに勤めている人が多く感じるストレスです。
長時間労働でも、1日や2日なら仕事の忙しい時期でストレスを感じることはあっても、そこまで重症にはなりません。しかし、これが1ヶ月続いたり、理不尽や低賃金など一つ一つは弱いストレスでも積み重なることで、急性ストレスにも増したストレスを感じることになります。
慢性ストレス
慢性ストレスは積み重ねることによって、日常生活でストレスに晒されていない時でも、急に不安に晒されたりする事があります。これは記憶のメカニズムに関係しています。
記憶というのは、何度も同じことを繰り返すことにより、記憶が強化されていきます。慢性的なストレスの場合その場で感じるストレスは弱いですが、日常的に弱いストレスに晒される事で、何度も記憶が強化されていく事になります。
何もしていない時に不安を感じてしまうのは、慢性的なストレスを感じさせる記憶が脳内で強化される事で、無意識のうちに記憶の中からストレスを感じているからです。ストレスを受ける環境にいなくても、脳が記憶から勝手にストレスを生み出します。

精神的・身体的影響
慢性ストレスを感じ続ける事により受ける影響は、精神的影響だけでなく身体的影響も及ぼす事になります。
精神的に受ける影響は、うつ病をはじめとする精神疾患にかかってしまう事です。日常的に感じるストレスは人の心を蝕みます。ストレスが脳に記憶として刷り込まれてしまう事で、とても敏感になり傷付きやすくなります。
感情とストレスの関係

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ストレスは感情と紐づいている
感情とストレスは切っても切れない関係性にあります。ストレスを感じた経験をを思い出してください。電車で座っている時に、隣にとても酒臭い人が座ってきたら「嫌だなぁ」と嫌悪感を感じますよね。他にも、怒られた時や悲しい時などストレスは感情と紐づいています。

感情と結びつかないストレス
もちろん、感情と無関係のストレスも存在します。それは、無意識に体が感じるストレスです。例えば、悪い姿勢で長時間座っていれば体はストレスを抱え込みます。他にも食事の時、自分の体に合わない食品を食べた時に、胃や腸を通してストレスを感じています。
無意識に感じているストレスは意外と多く、気付き難い点でとてもタチが悪いです。しかし、少し意識を変えれば気づく事もできます。無意識であっても体に違和感を感じたり、何らかのサインが出ます。
椅子に座っている時にちょっと背中に張りを感じるなと思ったら、姿勢を変えてみて下さい。それで違和感が治れば姿勢が悪かったのかと理解できます。あまり気に留めていないことでも、慢性ストレスとして積み重ねる事で、思いも寄らない病気にかかる事もあります。普段から意識して気を配る事が大切です。
現実と理想のギャップ
感情的に感じるストレスは、現実と理想のギャップから生まれる事があります。どうしても人は、「ああゆう風になりたいな」と理想の自分を作り上げてしまいます。もちろん、理想を抱くことは原動力になりますが、あまりにも高い理想を抱くと、現実と理想とのギャップで予期しないストレスを感じる事になります。
感情のバランスを取ることは、とても大切なことです。「どうしてダメなんだ」と自分を追い詰めてしまうと、慢性的なストレスを生み出します。結果として、うつ病などの精神疾患を患うことになります。高すぎる理想を抱くと、現実とのギャップでストレスを生み出してしまうので注意しましょう。
燃え尽き症候群
燃え尽き症候群と言う言葉を聞いた事があると思いますが、これもストレスの一種です。急性ストレスの場合は、目の前で起きた強烈に感情を揺さぶるような事柄(怒り・悲しみ)で突発的な行動を起こしますが、燃え尽き症候群は強い感情の逆、全てやりきった・頑張り抜いた、などの安堵感から、自殺や事件などの突発的な行動を起こします。
もちろん突発性な行動以外に、うつ病などの精神疾患を誘発する危険性があります。「なんであの人が」という人がうつ病になったりする事があると思いますが、一見すると上手くいっていそうな人でも、頑張り過ぎ等が原因で燃え尽きてしまいます。
潜在的なストレスは本人でも気づかない事が多いです。特に、燃え尽き症候群の場合は、突然、精神疾患の症状が出る事もあります。「自分は大丈夫」と思っている人でも、一度自分自身を見つめ直して下さい。頑張りは程々にしましょう。

まとめ
- ストレスにも種類がある
- 「カッとなる」のは急性ストレス
- 慢性ストレスは弱いストレスの積み重ね
- 感情とストレスは結びついている
- 理想と現実のギャップは精神的ストレスを生む
- 燃え尽き症候群に注意
ストレスにも急性ストレスや慢性ストレスのように、種類がある事が分かったと思います。ストレスの種類に応じてストレスに対する対策は違ってきます。自分が抱えているストレスについて知る事で、適切な対処をしましょう。
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